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番外編 「『原爆の図 丸木美術館』をオンラインで訪ねる」

日程

  • 2021年7月3日(土)(開場午後12:45、開始時間13:00、終了15:00)

場所

  • 原爆の図 丸木美術館(Zoomにて中継)

案内人

  • 春日恒男(文化資源学会会員)

解説者

  • 岡村幸宣(原爆の図丸木美術館学芸員・専務理事)
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 昨年5月31日、文化資源学会は、新型コロナウィルス感染拡大により、「オンライン研究会」という従来の枠組みにはなかった活動を開始しました。「外出自粛が呼びかけられ、対面が叶わなくても、文化の営みは続いている。展覧会や上演などが中止される段階を経て、今後の立案・企画も中止されるという段階に至っているが、その中で文化を経営する、あるいは途切れさせないための努力は続いている」(学会HPオンライン研究会趣旨説明文より)という思いからです。

 しかし、本学会の主な活動の一つである遠足は、昨年3月、感染拡大により中止して以来、今日に至るまで途絶したままです。オンライン研究会と同様、遠足においても「文化を経営する、あるいは途切れさせないための努力」が必要ではないでしょうか。

 遠足とは、文字通り「足」を使って「遠」い場所へ行くことであり、本来、オンラインとは矛盾するかもしれません。しかし、文化資源学会の遠足には、<近くて「遠」い場所>へ行くという目的もあります。その意味では、この世でオンラインほど<近くて「遠」い場所>はないともいえるかもしれません。今回の「遠足」を本学会の新しい試みとして実験する意義は十分あると思われます。

 「原爆の図 丸木美術館」は、1967年に埼玉県東松山市に創設された私立美術館です。同館は、丸木位里(1901-1995)と丸木俊(1912-2000)による共同制作「原爆の図」を展示するための美術館という特色があります。都心を離れた自然豊かな都幾川の畔に立地し、様々な併設施設も有しています。

 2011年の福島第一原子力発電所事故後、同館学芸員の岡村幸宣氏は、「原爆の図」を「非核芸術」の系譜に位置づけ直すことを提唱しています。同氏によれば、「非核」という言葉は「「反核」が核(兵器)の使用に反対するのに対し、「非核」は核の存在そのものを否定するというニュアンスで、あらゆる核が人間と共存できないという「3.11」後の傾向を示すには適している」と言います。そして、「必ずしも強い反対意思を示すばかりではなく、核と人間の歴史を考察しながら共存の不可能性を示唆する作品も含めた芸術群を、今後のさらなる広がりも期待して、「非核芸術」と呼びたい」と訴えます。

 同館は、創立以来、日本全国の同様な施設と同じように、維持管理のための様々な問題にも直面してきました。そして今、コロナ禍は、さらにその問題に追い打ちをかけています。

 今回の遠足では、岡村氏に同館の概要と新しい視点からの作品のご案内・ご解説をいただくとともに、同館の抱える現状と問題点についてもお話しいただく予定です。なお、岡村氏と自由に意見交換できる時間も設けますので、皆さまの積極的なご参加をお願いいたします。

館内写真

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写真:原爆の図 丸木美術館提供


スケジュール

13:00-13:05 企画趣旨説明(春日恒男)
13:05-13:50 第1部 丸木美術館の概要と作品案内(岡村幸宣)
13:50-14:00 休憩
14:00-14:30 第2部 作品案内(続き)と現状と問題(岡村幸宣)
14:30-15:00 質疑応答


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